インターンシップ最新情報 新着NEWS

中小企業のカリスマが語る「内定者の育て方」

中小・ベンチャー企業の採用を取り巻く環境は、依然として厳しい。とはいえ、黙って手をこまねいていても何も変わらない。300社もの経営コンサルティングを実施し、「中小企業のカリスマ」と呼ばれる武蔵野・小山昇社長(東京都小金井市)は「社長が自分で考えないから人が取れない。自業自得です」と苦言を呈する。

■優秀な人材はいらない

同社の採用スタンスは「優秀な人材よりも価値観のあう人材を採る」(小山社長)。いくら優秀な人材でも、それがマイナスに働けば、企業にとって「毒」になると考えるからだ。
数年前にこんな内定者がいたという。親から「公務員の道に進んで欲しい」といわれていると話していた学生。小山社長自ら「公務員へ行きなさい」と背中を押したというのだ。Ⅰ種公務員試験に合格するほどだから、優秀さは折り紙つきにもかかわらずだ。
「結局その学生を引き止めても、親から承諾をもらえないようでは、双方に幸せな入社とはいえない」と小山社長。事実、親から反対されている場合は、小山社長自らが親を説得に行く場合もあるという。

■内定後は密なコミュニケーションが肝要

内定を出した後、同社では大きく分けて2つの目的で内定者フォローを行う。1つ目が「共通の価値観の育成」、2つ目が「武蔵野の社員として、社会人としての意識の体得」だ。
「共通の価値観を育成する」ために、内定者の時から名刺やメールアドレスを付与するのはもちろん、同社の基ともなる「経営計画書」の転記や、小山社長の著書に対する感想をボイスメールと言うツールを利用して行うなど、自社がもつ価値観をじっくりと身につけさせる。
そして、「武蔵野の社員として、社会人としての意識を体得する」ために、定番のマナー研修はもちろん、社長のかばん持ちインターンシップやセールス研修を行っている。

■「給料の出所」を身をもって体験

社長のかばん持ちインターンシップとはその名の通り、一日小山社長のかばんをもつという研修プログラムだ。早朝勉強会から始まり、分刻みのスケジュールが続く。箱根駅伝のランナーになったこともある内定者が音を上げてしまうほど歩き回るが、小山社長本人はケロッとしている。それを体感した内定者は社長業のハードさを身をもって知り、社長に尊敬の念を抱く。
次に、セールス研修。これは150円のタワシを、いくつ売れるか他社の内定者も交えて競争するものだ。平均で4つ、優秀な人間は10個以上販売するという。「たかが150円」と高をくくっている内定者ほど売れず、ここで結果を残す内定者は入社後もおのずと成長するため、同社人事の参考にしている。また、この研修には「自分の給料をもらうありがたみがわかるという効果もある」(小山社長)という。

■自らの積極性が採用に直結

最後に、読者に向けて新卒採用に対するアドバイスをもらった。「中小企業の採用は社長がやらなければダメ。採用担当に任せているからうまくいかないんです。社長が先頭に立つからうまくいく。基本中の基本です」(小山社長)。小山社長は8月19日に発刊した最新著書「辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!」でも同様のことを説く。自らの積極性が採用に直結することを認識することで自社の採用・内定者フォローは大きく変わるはずだ。

株式会社武蔵野
▼会社所在地=東京都小金井市
▼創立=1964年
▼資本金=1億600万円
▼問い合せ=042-383-6340

「Venture Factory News@web 2008年9・10月号より」